研究課題
SACLAのX線自由電子レーザー(XFEL)とLaue型ビームスプリッターを用いて行った光子・光子散乱実験のデータの詳細な解析を行い、論文にまとめた。結果はPhysics Letters B誌に掲載された(Phys. Lett. B 763 (2016) 454-457)。また、X線自由電子レーザーを用いた光子・光子散乱実験について詳細に検討した結果、XFELと波長800nmの高強度レーザーを衝突させることで従来の手法に比べて大幅に光子・光子散乱シグナルを増加させることができるとわかった。しかし、このセットアップでは、Laue型ビームスプリッターを用いた手法とは異なり、ビーム同士の空間的・時間的な交差が保証されない。これを解決すべく、実際にXFELと高強度レーザーを用いて衝突手法に関する研究を行った。新たにXFELとレーザーとの衝突光学系を開発し、10μm程度の集光サイズでの衝突手法を確立した。このセットアップにおいては、光子・光子散乱シグナルはほぼXFELビームと同じ方向で数10μrad程度大きな角度発散を持って放出される。XFELビームがバックグラウンド事象となるため、X線スリットを複数枚用いてシグナルとXFELビームを分離するセットアップをデザインし、実際にSPring-8の高フラックスビームラインおよびSACLAのXFELを用いてテスト実験を行った。未だバックグラウンド抑制率はXFELビームの光子数の1/10000しかなく不十分であるが、バックグラウンド源に関する理解を深めた。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)
Physics Letters B
巻: 763 ページ: 454~457
10.1016/j.physletb.2016.11.003
http://tabletop.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/Tabletop_experiments/Home.html