近傍超新星から生じる膨大なニュートリノに対してKamLAND実験のデータ収集効率向上を研究した.近傍超新星の際,KamLANDでは十秒程度の間に百万以上の事象の発生が予測されるが,現行データ収集系は全体を処理出来ないため,効率的な事前取捨選択が必要である.検出器の特性から事象位置と観測光子の時間分布に相関があることに依拠し,事象の時間分散を利用した空間的事象選択を実データとシミュレーションを用いて研究した.現行のデータ収集系では選択効率の向上が望めないものの,より高速なクロックを用いた同等データ収集系の開発により理想的な選択効率が得られることを明らかにし,高速クロックの回路開発に着手した.
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