本研究では、初期宇宙の電弱相転移前後における素粒子の集団励起の観点から、宇宙における物質-反物質非対称性の生成について調べた。現象論的に注目されるレゾナント-レプトジェネシスでは、レプトン数が素粒子物理学の最前線の電弱相転移前後で生成される。相転移前後の左巻きニュートリノのスペクトル関数は、有限のWeak Boson質量により非自明な集団励起を持つ。本研究ではこの効果を取り入れて、レプトン数生成の鍵となる右巻きニュートリノの崩壊率を計算した。Weak Boson質量を無視した場合に較べ、100GeV前後の温度領域で20%-30%ほど崩壊率が大きくなる事を示唆した。
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