現在,硬X線からMeVガンマ線領域の宇宙観測は発展途上である。この分野を切り拓くには,観測装置の性能向上が鍵となる。本研究は,イベント駆動型SOIピクセル検出器で電子飛跡型半導体コンプトンカメラを実現する基礎開発を行った。本研究で得られた成果は下記の通りである。1)ピクセルに新しい構造を導入することで,検出器のノイズを35電子から16電子へ低減することに成功した。さらに,近接する回路・センサ間の干渉が切れたことで,イベント駆動読み出しにおける分光性能が向上した。2)コンプトンカメラのプロトタイプとなる多層化基板を開発した。そして,開発した基板によりスペクトルの取得に成功した。
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