2015年、LHCは重心系エネルギー13 TeVでの運転を開始した。本研究は125 GeVのHiggs粒子を超対称性理論に組み込むと存在が予言される長寿命グルイーノに着目した。申請者はATLAS実験において長寿命グルイーノの探索に主要な役割を果たすSemiConductor Trackerの運転に注力し、2015~2016年の円滑なデータ取得を実現した。そして特殊な解析アルゴリズムを開発し、長寿命グルイーノ探索を完了させた。新粒子の発見には至らなかったが、寿命が0.01 nsから10 nsの範囲において2000 GeV を超える質量領域まで長寿命グルイーノの存在を棄却した。
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