研究課題
研究期間全体を通じて研究で軽いゲージ粒子の存在を実験で検証するための理論的研究を行い、実際に検証し得るパラメーター領域を明らかにした。これにより今後の実験結果から軽いゲージ粒子の検証を具体的に行えるようにした。ゲージ粒子はゲージ対称性に付随して現れるものであり、本研究ではLμ-Lτ対称性とB-L対称性を持つ二つの模型について具体的な解析を行った。Lμ-Lτ対称性に付随する軽いゲージ粒子についてはツリーではレプトンにと結合している事に着目し、電子-陽電子衝突実験であるBelle-II実験での検証可能性を明らかにする研究を行った。解析においては、考えている模型の背後にあるより基本的な模型の違いを考慮し、ゲージ粒子間の力学混合がツリーで存在する場合とループで生成される場合の二つの模型に分け解析を行った。解析では、まず現在までの実験から許容されているパラメーター領域を明らかにした。それによりミュー粒子の異常磁気能率の理論値と実験値のズレを説明し得るパラメーターが許容領域内に存在する事を明らかにした。その結果をもとにBelle-II実験で1光子生成事象を測定する事により、異常磁気能率のズレを説明し得るパラメーター領域を含む広いパラメーター領域で軽いゲージ粒子の存在を検証し得る事を明らかにした。これにより、将来の実験結果を用いて新粒子の検証を行えるようにした。B-L対称性に関しては軽いゲージ粒子が暗黒物質及びニュートリノの質量生成機構と関連する模型の構築を行った。これにより軽いゲージ粒子が他の素粒子物理学の問題と繋がり得る事を示した。またゲージ粒子の質量からの帰結として、暗黒物質の散乱断面積に対する制限を明らかにした。これにより、将来実験でこの模型が検証可能である事を示した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
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