| 研究課題/領域番号 |
15K17658
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| 研究機関 | 大阪大学 |
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研究代表者 |
村田 佳樹 大阪大学, 理学研究科, 特任助教(常勤) (00707804)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | ゲージ重力対応 |
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| 研究実績の概要 |
時間依存する外場を物性系に印加すると、注入されたエネルギーと散逸が釣り合って、ある種の非平衡定常状態が実現される。そのような状態はフロッケ状態と呼ばれ、物性分野では精力的に研究されている。フロッケ系を用いて物性系の相転移現象をコントロールすることは、非平衡物性分野の一つの目標になっている。我々は、そのフロッケ状態をAdS/CFTを通して重力側で実現することに成功した。
AdS/CFTの一つの模型であるD3/D7模型には、場の理論側に無質量のディラック場が存在する。無質量ディラック場と同様のバンド構造を持つ系は、物性でもしばしば表れる。そのような物性系をディラック半金属と呼ばれている。ディラック半金属に回転電場を掛けるとどうなるだろうか？弱結合の解析によると、回転電場の効果によりディラック点が分離して、２つのワイル点になることが知られている。ワイル点を持つ物質はワイル半金属と呼ばれており、トポロジカルな物質の一つである。我々はD3/D7模型においても同様に回転電場を掛けることを考えた。その系の伝導度を調べることにより、ワイル半金属に特徴的なホール効果などの振る舞いを確認することが出来た。非平衡系では、通常分布関数が非自明になるので、電流などの物理量を計算することは困難である。我々は、AdS/CFT対応を使うことによりその困難を回避して、それを計算することに成功したのである。この研究のあと物性実験の専門家と、実験的検証に向けた話し合いも行っている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ゲージ重力対応を用いて、物性物理に新たな知見を与えたため。
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| 今後の研究の推進方策 |
当初の計画通りゲージ重力対応の物性系への応用を進める予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
国際研究会の出張旅費を当初の予定より節約出来たため。その分は、次年度の研究成果発表の費用に当てる。
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