研究実績の概要 |
本研究において、今年度は、昨年度の成果となるリチウム原子核同位体である 6Li, 7Li, 8Li, 9Li の系統的な分析を論文としてまとめた。この成果では、6Li, 7Li がそれぞれ α-d, α-t のような弱束縛したクラスター構造を持った状態に、余剰中性子を加えることによってその余剰中性子が糊のような役割を果たし、クラスター構造が安定化する構造変化に着目した。その余剰中性子の役割を原子核構造の観点からだけではなく、原子核反応の観点から明らかにした。 また、微視的観点から導出された原子核密度を利用して、安定核だけでなく、不安定核にも応用できるグローバル光学ポテンシャルの構築を手掛けた。 本研究の成果は、次のような国際会議・研究集会で発表された。まず、ベトナムのハロン市で行われた国際会議 The International Symposium on Physics of Unstable Nuclei 2017 (ISPUN17) で成果発表を行った。また、北海道大学で行われた国際会議である Workshop on Nuclear Cluster Physics 2017 に招待され、成果発表を行った。さらに、理化学研究所(和光)で行われた One-day Workshop at RIKEN Nishina Center “Current status of the microscopic description of nucleon-nucleus scattering”で発表を行った。国内では、理化学研究所(神戸)で開催されたRIBF理論若手放談会:エキゾチック核物理の広がりやRCNP研究会「核子・ストレンジネス多体系におけるクラスター現象」などで成果発表を行った。
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