余剰中性子によって安定化するクラスター構造が実証されたことは重要な学術的意義を持つ。特にそれが半世紀以上に渡って研究されてきたリニアチェイン構造であったことは原子核物理分野へのインパクトは大きかったと評価できる。我々の研究によって発展した様々な理論模型や実験データと構造の情報を結びつけるための手法は、今後原子核構造の理解を進展させていく上で、非常に有用である。特にαクラスター構造の空間的な発達の程度がα移行反応の断面積から直接理解できる可能性を示したことは、クラスター構造研究で得た知見を実証するための方法を新たに与えたと評価できる。
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