本研究では,半導体表面の光キャリアダイナミクスを高時空間分解で観察できる時間分解光電子顕微鏡に,エネルギー分解能を付与する目的で光学系の改良を申請した.しかし,想定していなかった成果が得られた.この波長可変システムを利用することで,重大な問題である試料帯電を抑制することが可能であることが分かり,これにより,光電子検出では困難と考えられていたワイドギャップ半導体の光キャリア寿命計測に成功した.ワイドギャップ半導体は,ポストSiとして期待される材料であり,この申請研究で開発した装置が新規半導体評価装置になりうると期待され複数の半導体メーカと共同研究が始まった.
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