研究課題
化学気相成長によって銅箔上に合成したグラフェンを酸化シリコン基板上に転写し、100 nm程度の大きさにエッチングすることによってグラフェン量子ドットを作製した。作製したグラフェン量子ドットを希釈冷凍機を用いて20 mK程度に冷却し、その電気特性を調べたところ量子ドットに見られるクーロン振動を観測した。また、クーロンブロッケード領域において、トンネル結合が強い単一の量子ドットに見られる近藤効果によるものと思われるゼロバイアス異常を検出した。また、グラフェン量子ドットに磁性有機分子を修飾した新規デバイスの開発の研究に取り組んだ。実際にグラフェン量子ドットに有機分子の修飾を行った。原子間力顕微鏡像から修飾前後のグラフェンの高さを比較することにより、グラフェン上に有機分子が修飾されている様子を観測した。新しい手法によるグラフェンの合成にも取り組んだ。レーザーを用いることによって絶縁体基板上に任意の位置の合成し、さらにフレキシブルな基板上に直接グラフェンを合成することに成功した。また、触媒となる銅箔を予め部分的にすることにより、化学気相成長法によってグラフェンの結晶密度を制御し、任意の位置にグラフェンを合成することに成功した。グラフェン電界効果トランジスタを用いたバイオセンサの研究に取り組み、インフルエンザウイルスの検出に取り組んだ。また、電荷を検出しにくい微小なターゲットはグラフェンで検出しにくいことから、オープンサンドイッチ免疫測定法という一つの抗原に対して、二つの抗体を用いる手法に着目した。その手法によって、電荷を検出しにくい微小なターゲットである骨代謝マーカーであるオステオカルシンを選択的に検出できることを示した。また、抗体に電荷を持たせることにより、その感度を上昇させることができることを示した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 1件)
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