本研究では高温超伝導メカニズムの解明の鍵を握る擬ギャップの起源、超伝導との関連性を電子相関の観点からを調査するため、近赤外レーザーパルスを用いたポンププローブ時間分解分光を電子相関の異なる有機超伝導体に対して行った。その結果、超伝導転移温度よりはるかに高い温度から擬ギャップ形成に関する応答が現れ、その温度依存性が電子相関により異なっていることを明らかにした。また超伝導転移温度以下では超伝導と擬ギャップ応答は分離することができ、共存関係にあることが示唆される。また急冷実験により、擬ギャップ形成有機分子の秩序化が重要な役割を果たしていることもわかった。
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