Ca-Kapellasite, CaCu3(OH)6Cl2・0.6H2Oは格子歪みやイオンサイト乱れのないS = 1/2カゴメ格子反強磁性体のモデル物質であり、理論的な先行研究により量子スピン液体状態が実現する舞台になると予想されている。本研究では、Ca-Kapellasiteにおいて量子スピン液体状態の実現とその性質解明を目指して、単結晶育成、物性測定を行った。その結果、通常の長距離秩序とは異なる磁気基底状態が実現し、比熱の温度比例項に示唆されるギャップレスの特異な磁気励起が存在する事を見出した。
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