BEDT-TTF系有機伝導体を舞台として、電荷の揺らぎや秩序パターンの拮抗によって生じる不均一状態を、光学測定を通じて観測した。電荷秩序系塩においては、高輝度放射光施設SPring-8の赤外ビームライン(BL43IR)を利用した赤外顕微分光により空間分解イメージングを行ったところ、転移温度近傍で金属相と絶縁体相の相分離と思われる空間イメージを取得し、そのダイナミクスを捉えることに成功した。またダイマーモット系塩においては、フェムト秒パルスを用いたテラヘルツ発生分光を行い、ダイマー内の電荷揺らぎに起因する反転対称性の破れを検出することに成功した。
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