本研究では近藤半導体CeT2Al10(T = Ru and Os)における特異な反強磁性秩序の発現機構解明を目的として、パルス強磁場中での圧力下物性測定を行った。パルス強磁場中で使用可能なNiCrAl製のピストンシリンダー型圧力セルを新たに開発し、試料空間が直径3mmで最大55T、2GPaでの磁気抵抗測定が可能となった。この圧力セルを用いてCeT2Al10系の圧力下磁気抵抗を測定し、反強磁性秩序の形成とスピンギャップとの相関や、c-f混成と異方的な交換相互作用との関係など、多くの知見を得ることに成功した。
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