モリブデン酸セシウム鉄CsFe(MoO4)2について、モリブデン酸を融剤としたフラックス法で単結晶育成に成功した。この単結晶を用いた磁化測定および誘電率測定を行い、120°スピン構造を形成する反強磁性転移に伴った誘電異常を観測した。これらの結果から決定した磁気相図、誘電率測定の結果および磁気構造との考察から、CsFe(MoO4)2が面内スピンカイラリティ起源のマルチフェロイクスを示す可能性が高いことを明らかにした。CsFe(MoO4)2が、スピンカイラリティ起源のマルチフェロイック物質としては2例目の発見となる。
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