鉄系超伝導体の新しい物質系開発を目指して物質探索を行った。従来の鉄系超伝導体は二次元構造が特徴だが、申請者が先行研究で発見した物質は鉄系超伝導体の特徴を色濃く持ちつつも三次元的なネットワーク構造を有する。対応する電子構造にも違いが現れると期待されることから、鉄系超伝導の謎を解く鍵となりうると期待し、物質・物性探索を行った。研究の結果、6-3-11-10系と名付けた三次元鉄ヒ化物が非バルクの超伝導転移を示すことを突き止めた。バルク性が現れない原因はドープ量に由来すると考えている。また、物質探索の過程で、申請者が開発した112型Ca1-xLaxFeAs2の2種の類縁物質を発見することに成功した。
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