ポテンシャルエネルギー面トレッキング法を高圧縮固体水素に適用させて新奇金属相及び室温超伝導相を理論的に探索した。新たな高圧相の発見には至らなかったが、500万気圧以上でセシウムⅣ型構造が歪みを繰り返す状態が出現することを予測し、金属固体水素について新たな知見が得られた。また、遺伝的アルゴリズムを用いて水素系化合物の高温超伝導を調べたところ、110万気圧で実験データを良く再現する50-70ケルビンの新奇超伝導硫黄水素化合物H5S2を予測した。実験で到達可能な圧力領域(360万気圧以下)における室温超伝導は水素単体では困難だが、水素化合物では十分期待できることが明らかになった。
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