本研究では、Sr2RuO4(SRO)におけるスピン3重項カイラルp波超伝導性に起因した特異な磁束渦状態を解明するため、マイクロSQUIDとSRO微小片を用いた磁化測定デバイスを作製し、以下の実験結果を得た。 1.カイラル超伝導性の影響を示唆するような2種類の異なる磁束渦誘起信号を観測。2. 面内磁場印加下で磁化測定を行い、半整数磁束渦の可能性を示唆する信号を観測。3. SRO-Ru共晶微小片における磁化測定から、Ru超伝導転移に伴う誘起磁束分布の変化を観測した。しかし、s波-カイラルp波超伝導位相競合に伴う磁束渦自発生成は観測されなかった。
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