平衡系では実現が難しい興味深い物質相を、物質にレーザーを照射することによって実現しようという研究が、近年注目を集めています。しかし、周期外場によって興味深い物性を得られたとしても、物質は外場からエネルギーを吸収し、最終的に高温の無秩序な状態に緩和してしまいます。このことを「熱化」といいます。熱化が、どれくらいの速さで生じるのかを理解することは応用上重要なだけではなく、基礎物理学的にも難しい課題でした。 この問題を理論的に研究し、外場の周波数が大きい時には、熱化が周波数に対して指数関数的に遅くなることを示しました。また、熱浴との相互作用の影響を研究しました。
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