(1) 2次元の3He系は液体相を持つか、という問題に取り組んだ。本研究ではエネルギー汎関数を用いた変分法を用いてエネルギーと粒子数密度の関係を求めることで、スピン三重項状態が準安定な液体相を形成することを発見した。(2) クォークの少数系に関して、QCDの真空のAbelian partやmonopole partが閉じ込めの性質をどの程度保持しているのかを明らかにした。(3) 古典系に関する新たな展開として粘弾性体の研究を行った。クラスター展開そのものではなく、上記(2)の研究で培った格子ゲージ理論の経験に基づいて、粘弾性体の亀裂進展に関する速度ジャンプのメカニズムの解明に成功した。
|