研究実績の概要 |
本研究では,直接観測が難しい成層圏領域において,複数の衛星リモートセンシング観測と大気再解析データを相互比較し,大気の基本的な変動である日周期成分の“最も確からしい時空間構造”を明らかにすることを目的としている.昨年度には,本研究成果のまとめとなる国際ジャーナル論文を公表した(Sakazaki, Shiotani and Fujiwara, 2018, Atmospheric Chemistry and Physics誌). 本年度は,本研究にも密接に関わるSPARC Reanalysis Inter-comparison Project (S-RIP;成層圏における大気再解析データの比較プロジェクト)の最終報告書を執筆した(Chapter 11 "上部成層圏-下部中間圏"の一部を分担執筆).上記の報告書には昨年度公表した論文も引用されている. また,最近になって新たに公開された大気再解析データ(ERA-5)を部分的に習得して予備調査を行い,データ特性の把握と今後の解析方法の検討を行った.本研究で対象としていた成層圏大気の再現性について更なる改善が期待でき,今後本格的な解析を行ってこれまでの結果との比較検討を行う予定である.また日本気象学会等に出席し,今後の課題について共同研究者と打ち合わせを行った.
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