本研究では気候予測において最大の不確定性要素である低層雲の微物理特性に関する地域特性(東西太平洋の差異)を明らかにすることを目指した。 予備的な解析から低層雲の計算に従来より用いられてきた解像度が十分でないことが明らかとなった。そのため解像度に関する数値実験を行った。感度実験の結果から低層雲の再現に必要な解像度は水平12.5m、鉛直10mであると明らかにした。 同時に西部太平洋の低層雲を対象とした数値実験を行い、東部太平洋の低層雲との違いの原因の一つは、海水面温度が大気最下層の温度より低いため、雲底において長波放射による加熱が起こらないことが原因である可能性を示した。
|