本研究では、「ひさき」宇宙望遠鏡で観測された木星オーロラ・スペクトルからオーロラ電子パラメータを導出する方法を、ハッブル宇宙望遠鏡の観測との比較を通して確立した。さらに、スペクトル情報と加速理論を組み合わせ、磁気圏粒子パラメータ(加速前のプラズマ密度・温度)の変動量を導出した。それらを用いて、木星磁気圏の内因(自転に伴う磁気圏ダイナミクスおよび衛星火山活動)・外因(太陽風)それぞれの変動に対するオーロラ降り込み電子および磁気圏環境の応答を明らかにした。また、オーロラ・スペクトルのH/H2比情報を用いた低エネルギー電子降り込みの解析を、土星に加えて木星にも適用し、惑星間の比較・考察を行った。
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