本研究では、太陽風プラズマ中の磁気流体波の非線形発展過程が乱流スペクトル異方性の生成に与える影響を議論するため、理論モデルの導出および直接数値計算を行った。圧縮性擾乱とイオン運動論効果双方を含む3次元モデルを導出し磁気流体波の非線形発展の数値計算を行った結果、ランダウ減衰効果が大きいほど斜め伝搬波動の励起が抑制されること、順カスケードに伴う高波数成分の励起よりもサイクロトロン減衰効果が顕著になることで相対的に斜め伝搬成分が卓越し得ることがわかった。また、理論モデルの前提条件として用いられる局所平衡状態について、粗視化スケールの波動の効果およびイオン運動論効果を含む場合の熱力学的性質を示した。
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