研究課題
太陽表面では、太陽面爆発(太陽フレア)に代表される磁気プラズマ現象が絶え間なく発生している。これら太陽フレアや関連して発生するプラズマ噴出現象・コロナ質量放出(CME)は、宇宙空間のプラズマ・磁場環境にとって擾乱源となる。そのため、太陽フレアや噴出現象の発生、およびそれらが宇宙空間に与える影響は、「宇宙天気」研究として盛んに研究されている。太陽からの噴出現象はCMEを形成し、また噴出現象の前方に形成される「コロナ衝撃波」は、宇宙空間において高エネルギー粒子を加速するなど、宇宙天気研究の中でも特に重要である。本研究は、太陽フレアに付随して観測されるコロナ衝撃波について、その3次元構造を明らかにし、さらにはこれらの噴出現象とCMEとの関係を、取得可能なあらゆる観測データを通じて明らかにすることを目的としている。H29年度は、引き続き太陽フレアやコロナ衝撃波についてのデータ解析を行った。特に、2011年3月8日に発生した太陽フレアに伴うフィラメント噴出について、フレア監視望遠鏡の観測データを用いて、視線方向の速度場を導出した。また、このフィラメント噴出と後に続くCMEとの関係を明らかにした。この他、2010年2月10日のフレアに伴って観測された衝撃波については、フィラメント噴出現象も観測されており、衝撃波とフィラメント噴出の関係について調べた。加えて、このフレアや活動領域についての観測データを元に磁気流体数値計算を実施し、フィラメント噴出に駆動される衝撃波を再現することに成功した。
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Publications of the Astronomical Society of Japan
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10.1093/pasj/psx133
The Astrophysical Journal
巻: 848 ページ: id. 62
10.3847/1538-4357/aa8c75
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