多数の断層方位データから自動的に複数の古応力を検出するための自動分類型応力逆解析法を開発した.この手法は,偏差応力空間の混合確率分布モデルとベイズ情報量規準によって応力数を決定する.新手法を大分県別府湾周辺に分布する第四系を切る小断層群に適用し,約100万年前に引張方向が変化したことを示した.また,徳島県牟岐町に分布する四万十付加体牟岐メランジュを切る小断層群に同手法を適用し,プレート境界の直下における正断層型応力を検出した.引張方向は沈み込み方向と海溝軸に平行な方向の2種類が得られた.さらに,小断層群の摩擦係数を推定すると0.1~0.2という小さな値が得られた.
|