研究課題/領域番号 |
15K17778
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
足立 達朗 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教 (00582652)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 白金族元素 / 蛇紋岩 |
研究実績の概要 |
蛇紋岩の全岩化学組成,特に白金族化学組成を得るため,分析試料の前処理方法の検討,機器分析の分析条件の検討を引き続き継続して実施した. 全岩化学組成分析には,3倍希釈ガラスビード法を適用し,波長分散型蛍光エックス線分析装置(XRF)分析したのち,同じガラスビードをレーザー溶出型誘導結合プラズマ質量分析計(LA-ICP-MS)を用いて微量元素および白金族元素を分析するための分析条件の検討を行った. 本年度は,マルチコレクタ誘導結合プラズマ質量分析計(MC-ICP-MS)を用いた,白金族元素(PGE)の分析手法確立のため,まず標準溶液を用いた条件設定を実施した. また,黒瀬川構造帯に産する蛇紋岩を採取するため,熊本県八代市周辺の野外地質調査を実施した.採取した試料は今後の分析試料とする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の分析に使用したマルチコレクタ誘導結合プラズマ質量分析計(MC-ICP-MS)に数回トラブルがあり,これに伴う遅れが生じた.この点に関しては,すでに不具合箇所の修理は別経費にて実施済みであり,現在順調に稼働している.また,低希釈率ガラスビード作成に用いる岩石粉末の調整に,これまでは炭化タングステン製の振動ミル試料容器を使用していたが,この場合Nb,Ta,Hfなどにわずかにコンタミが発生する可能性があることが判明し,その検討を行っている.
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今後の研究の推進方策 |
炭化タングステン製ではなくよりコンタミの発生が抑えられることが期待できるアルミナ製の紛細ミルを用意して試料調整をテストする.また,MC-ICP-MSを用いた,レーザーアブレーション法によるPGE分析条件を確定する.その後,国内の構造帯に沿って産出する蛇紋岩の野外調査を実施し試料採取を行い,それらの分析を実施する.
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次年度使用額が生じた理由 |
室内実験に時間の多くを充当したため,野外調査の実施回数を少なくしたため.
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次年度使用額の使用計画 |
白金族元素(PGE)分析用の試料前処理に用いるアルミナ製の振動ミル試料容器の購入に充てる予定である.
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