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2016 年度 実績報告書

星周環境におけるエンスタタイト形成過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K17787
研究機関京都大学

研究代表者

瀧川 晶  京都大学, 白眉センター, 特定助教 (10750367)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードエンスタタイト / 凝縮 / 実験 / 星周ダスト
研究実績の概要

エンスタタイト(MgSiO3)は,原始惑星系円盤や進化末期巨星の星周赤外スペクトル観測や,彗星塵などの分析から,星周環境における主要ダストの一つであることがわかっている.特に惑星間塵のエンスタタイトは気相から直接凝縮すると考えられているが,その条件範囲は決定されておらず,本研究ではコランダム凝縮実験で開発した手法を応用し,星周エンスタタイトの凝縮条件とモルフォロジーに制約を与えることを目的としている.
当該年度は,昨年改造した真空加熱炉および作成したクヌーセンセルを用いて,ガス温度,凝縮温度,ガス組成(Mg/Si比)を変化させて凝縮実験をおこなった.その結果,MgOとSiO2粉末を蒸発させた場合,Mg/Si比を1より小さく変化させてもエンスタタイトは凝縮せず,主にフォルステライトが凝縮した.一方,同じ温度条件で Mg-Si-Oメルトを蒸発させた場合,ガス温度1650°Cでは,高温でフォルステライトが凝縮し,1570°C付近からクライノエンスタタイトが凝縮した.ガス温度1580°Cにおいては,幅広い温度でエンスタタイトが凝縮し,フォルステライトは観察されなかった.さらに,20°Cほどの狭い温度域でプロトエンスタタイトが観察された.凝縮したエンスタタイト粒子は主に粒状で,樹枝状および板状エンスタタイトはどの温度でも形成しなかった.本結果は,Mg/Si比だけでなく,ガスフラックス(過飽和比)がモルフォロジーだけでなく,エンスタタイト凝縮そのものに重要であることを示唆している.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 星周ダスト形成を模擬したMg-Si-O系での凝縮実験:Mg/Si比依存性2017

    • 著者名/発表者名
      瀧川 晶
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合 連合大会 2017年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉)
    • 年月日
      2017-05-22
  • [学会発表] Condensation experiments in the Mg-Si-O system2017

    • 著者名/発表者名
      Aki Takigawa
    • 学会等名
      Solar-System symposium in Sapporo 2017
    • 発表場所
      ルスツリゾート(北海道)
    • 年月日
      2017-02-14
    • 国際学会
  • [学会発表] Microscopic and Telescopic Studies on Circumstellar Dust2016

    • 著者名/発表者名
      Aki Takigawa
    • 学会等名
      Pre-Forum Meeting on Future Cosmochemistry for the JSPS Forum 2016
    • 発表場所
      Cosmos Club (ワシントンDC, USA)
    • 年月日
      2016-06-09
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] エンスタタイト凝縮実験に向けた装置改良とSiO2-MgO蒸発実験2016

    • 著者名/発表者名
      瀧川 晶
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合 連合大会 2016年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉)
    • 年月日
      2016-05-25

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公開日: 2018-01-16  

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