研究課題
本研究の目的は、白亜紀の海洋地殻であるオマーンオフィオライトを用い、海洋底からモホ面に至る海洋地殻断面の総括的な化学組成プロファイルを完成させ、低温から高温までの熱水変質における物質収支を定量的に見積もることである。この試料セットについては、二次鉱物組成、ストロンチウム・酸素・ホウ素の同位体組成がすでに報告されており、熱水変質の反応条件が明らかとなっている。本研究ではこれまでに、XRFやICP-MSを用いて主要・微量元素の分析を行い、良好な結果を得ている。最終年度となる今年度は、追加分析及びデータ取りまとめのためにテクニカルスタッフ1名を雇用して作業を進め、海洋地殻試料の元素分析は完了した。未変質玄武岩の分析については、未変質ガラスの分離作業は完了したものの、極少量試料の各種同位体分析のための適切な手法を確立することが出来ず、分析を見送ることとなった。一方、当初の計画には無かったが、オマーンオフィオライト試料についてマグネシウム同位体の分析を共同研究として実施することとなり、本課題で得られた化学組成プロファイルも含めて共著論文として国際誌に投稿した。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
Frontiers in Earth Science
巻: 8 ページ: 558823
10.3389/feart.2020.558823
Scientific Reports
巻: 10 ページ: 3558
10.1038/s41598-020-60200-5