研究課題
タンデムミラー型磁場閉じ込め装置GAMMA 10のセントラルミラー磁場部では、高出力のイオンサイクロトロン周波数帯(ICRF)加熱により、強いイオン温度非等方性をもつプラズマが生成され、それを駆動力としてアルベンイオンサイクロトロン(AIC)波動が励起される。不安定周波数帯に複数の周波数ピークをもって励起されるAIC波動の境界条件を調べるために、高速アンテナスイッチングを導入した2chマイクロ波反射計を用いてAIC波動の空間構造を調べた。二つの可変マイクロ波周波数、アンテナアレイ、アンテナスイッチングにより、AIC波動が励起されるセントラル部の広い空間領域において、AIC波動に伴う密度揺動振幅の径方向分布、軸方向への変化(5点)、2点間の位相差分布、それらの時間変化の計測に成功した。ICRF加熱条件を様々に変え、また局所的にガスを入射してプラズマパラメータ分布を変えるような実験から、初期計測で示唆されていた複数のピーク周波数間で異なる軸方向空間構造が存在することが明確になった。反射計により揺動振幅を導出する際に密度分布の精度が重要であり、従来の多視線干渉計による計測に加え、高速周波数掃引が可能なマイクロ波発振器を導入してFM反射計による密度分布計測を可能にした。GAMMA 10エンド部の高エネルギーイオン検出器を増設し、AIC波動の複数ピーク周波数間の差周波(80-200kHz)の揺動と相互作用して磁力線方向に輸送されるイオンが、特に径方向内側で顕著であること、そのエネルギー帯は連続でなくあるエネルギー幅に限られること、差周波数毎にエネルギー帯が異なること等を明らかにした。
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Journal of Instrumentation
巻: 12 ページ: C12017
10.1088/1748-0221/12/12/C12017