炭素材料の調製において重要なメソフェーズは構造異方性を持つ球晶で、液晶のように磁気配向することが知られる。その発現の程度は、結晶子の大きさや密度に依存すると推測されるが、その詳細は不明であった。そこで、アントラセン由来のメソフェーズピッチを用いて、磁気配向が起こる際の結晶子の大きさや油分量を定量的に解析し、磁場効果に最適な環境について考察した。磁気配向による高配向性炭素物質前駆体の合成には,原料の低分子量炭化水素を多く含有し,高結晶性のサイズの小さな結晶子数が多い条件が必要であることが明らかになった。また、低分子量炭化水素を高温下で保持するため、高圧条件で調製することも有効であった。
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