タンパク質は天然状態においても構造揺らぎを示す。近年、このようなタンパク質の動的な構造が、構造形成や機能発現に重要であることが実験から明らかになってきたが、一方でその分子論的起源は明らかでない。本研究では、分子動力学シミュレーションデータの遅い運動モードに着目した新たな解析法を開発することで、タンパク質のフォールディング過程でどのような構造揺らぎが起き、それが不均一な構造ダイナミクスを経てタンパク質構造が形成されるかを解明した。また、シアノバクテリアの概日リズムの制御に関わる時計タンパク質KaiCで起こる遅いATP加水分解反応の分子論的起源を秋山教授(分子研)らとともに明らかにした。
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