研究実績の概要 |
今年度は芳香環の触媒的直接的アミノ化を目標として研究を行った。私は昨年度に銅触媒と2,2’-ビピリジンのそれぞれ6,6’位にメチル基を有する6,6’-ジメチル-2,2’ビピリジン(6,6’-Me2bpy)配位子を用いたイミド化を報告している。本年度は研究実施計画の通り、その配位子の類縁体合成を重点的に行い、イミド化反応への配位子の影響を調べた。窒素に隣接する位置に嵩高いtert-ブチル基を有する配位子を合成し、検討を行った。残念ながら、反応の進行が遅いことがわかった。電子求引性の置換基であるトリフルオロメチル基を4,4'位にもつ6,6’-Me2bpyを配位子として用いたところ、2-フェニルチオフェンのイミド化を加速することがわかった。反応の加速効果は、まだ2-フェニルチオフェンを基質にした場合に限られているが、基質一般性の高い配位子合成における知見を得た。
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