本課題では、強発光性や多彩な光学特性、外場応答、導電性等に注目が集まる集積型白金錯体に対し、外部刺激等を用いてその物性を自在に制御することを目指した。その結果、①水素結合によって発光性白金錯体を溶液内で集積させるとともに、従来は困難であった色調と酸化状態の電気化学的な多段階制御である「多段階エレクトロクロミズム」に成功した。さらに②部分酸化状態をとる集積型白金錯体を用いることで、エレクトロクロミズムの色調変化の範囲を共存させる分子によって大きく変化させることに成功した。これらの成果は、分子科学に立脚したセンサー材料、電子デバイス材料を開発する重要な知見を与えるものと期待される。
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