金属イオンを有機配位子によって架橋された無限構造を有する二次元配位高分子は、柔軟な配位結合に基づく構造変化やゲスト応答性を示すため、ナノシート化などによる機能性デバイス作成の有用な候補である。本研究では、5種類の異なる錯体配位子を用いてジグザグ構造の二次元配位高分子を合成し、温度依存単結晶X線構造解析により熱膨張挙動について検討を行った。錯体配位子の構造を反映して、温度上昇に伴ったシートの収縮、膨張、あるいはシートの構造変化を伴わない異方的な面内ゼロ熱膨張挙動を示した。詳細な検討から、シートを構築する配位構造ひずみにより熱膨張挙動が支配されていることが明らかになった。
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