水素ガスを用いた水素化反応は一般に高圧条件下で行われるが、水素ガスは爆発性の性質を有していることから、低圧条件で行うことが安全面の観点からは望ましい。そこで本研究では、ガス吸着を得意とする多孔性金属錯体(MOF)と水素化反応の触媒となるロジウム錯体を複合化させることにより低圧条件下での水素化反応の開発を目指した。結果、得られた複合体を用いると、ロジウム錯体単体では反応が進行しない低圧水素条件においても良好に水素化反応が進行した。これにより、MOFが水素ガスの濃縮とそれに続く水素化反応に正の効果を与えていることが明らかとなった。
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