本研究では、新規グラフェンナノリボン(GNR)合成法の確立のため、1)金基板への吸着部位を導入したGNR前駆体分子の単分子膜形成および脱水素環化反応の検討、2)バンドギャップ制御を目指した幅広のGNR合成に必要な高次アセン前駆体およびエッジ修飾GNR前駆体の合成、を行った。(1)に関しては、合成したGNR前駆体分子の単分子膜形成基板を真空条件下で加熱したところ、脱水素環化反応の進行を示唆する結果を得た。(2)に関しては、ヘプタセン・ノナセン前駆体やエッジにフッ素を導入したGNR前駆体分子の合成に成功した。さらに、エッジ修飾GNRの形成メカニズムに関する知見を得ることに成功した。
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