次世代型ディスプレイに用いられる有機エレクトロルミネッセンス材料においては、工業プロセスや製品の安全性の観点から発光性分子を含む固体薄膜を調製する必要がある。我々は、発光性のビピロールが、固体中において分子同士の配列の違いにより、蛍光波長を変化させることが可能であることを見出し、さらにその知見をもとにビピロールに種々の電子供与基、電子求引基を導入することで発光波長が650 nmを超え、遠赤色に到達する固体発光材料の開発に成功した。また、分子構造が発光の色に及ぼす影響について詳細に調べ、青色から赤色まで、様々な発光色を有する材料を自在に作ることができる分子設計指針を得た。
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