海洋微生物である渦鞭毛藻Amphidinium klebsiiが生産する有機化合物アンフィジノール3は、抗真菌活性を持ち、新たな抗真菌薬開発への応用が期待される化合物である。しかし、その立体構造の一部には疑義が持たれ、全合成も達成されておらず、また巨大な分子のどの部分が活性発現に重要なのか明らかになっていなかった。我々は有機合成化学反応を駆使して、部分構造の合成と分光学的データ解析を行い、正しい構造を明らかにした。さらに全合成によって全立体構造の確認を行った。また、人工構造類縁体の合成と活性評価から、活性発現のためには2つのエーテル環の両方が必須であることが示唆された。
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