研究課題
イミダゾリウム系のイオン液体の合成、詳細評価をおこなった。イミダゾリウム系のイオン液体はセルロースを溶解することができた。pHを変化させることでイオン液体とzwitterionの割合が100:0から15:85まで変わることが分かった。イオン液体とzwitterionの間で変化するpH範囲は6~9.5であることが分かった。CO2を吹き込んだときは93:7、N2を吹き込んだときは14:86となることが分かった。これらのことから、動的共有結合を利用することで、pHあるいはガスバブリングによって、イオン液体とzwitterionの構造をスイッチングできることが分かった。構造変化にともない、親疎水性の大きな変化はなかったが、電気透析を利用してグルコースとイオン液体を分離する新規手法を提案することができた。つぎに、カチオン構造をテトラアルキルホスホニウムに変更した。イミダゾリウム系イオン液体と同様にpHあるいはガスバブリングによって構造が大きく変化した。さらに、ホスホニウム系のイオン液体を使った場合にははっきりとした相挙動の違いが観察された。CO2を吹き込んだ場合には親水性、N2を吹き込んだときは疎水性であった。また、CO2を吹き込んだときも、N2を吹き込んだときも下限臨界溶解温度を示すことがわかった。動的共有結合をもつイオン液体を合成することでイオン液体にしかない固有の物性をスイッチングすることに成功し、バイオリファイナリーへの展開も示すことができた。
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