研究課題
化学修飾フラーレンのナノ構造体の創出を目的とし,各種フラーレン誘導体の合成を行った.それらフラーレン誘導体を液液界面析出法により種々のナノ構造の調製を行った.その中で,特異な異方性を有するナノ構造体を昨年度明らかとした.そこで,本年度はこれらの現象の解明を進めるとともに,更なる応用の可能性を示した.その結果,学術論文にて報告するに至った.また,C60フラーレンと異なり楕円体構造を持つC70フラーレンの階層的自己組織化挙動の制御に成功した.液液界面析出法で調製した立方体構造のフラーレン結晶を,他の溶媒に再分散させることで表面上にて階層的自己組織化を誘起させ,高次構造を有するフラーレン結晶を作成した.さらに,溶媒条件を変更することにより空孔を有する結晶作成にも展開した.これら階層的自己組織化により調製したフラーレンナノ構造は,高い表面積を有しており,種々の分子を吸着させることが可能であることを見いだした.この結果の一部は既に学術論文として報告しており,残りの研究成果も現在論文投稿中である.異方性を有したナノ構造体,高い表面積を有したナノ構造体ともに当初のワクチン輸送キャリアへの応用として必要となる性質であり,これらのワクチン輸送キャリアへと現在展開している.
すべて 2016 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
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http://www.nims.go.jp/mana/jp/news_room/press/2015/2015060301.html