本研究「近赤外光応答水分解光電極の開発」においてはバンドギャップが小さく、近赤外光に対する光応答を有する半導体光電極を用いた水分解反応を検討した。 CuInSe2光カソードは1200 nmと近赤外域の光に応答し、かつオンセット電位が0.7 V vs. RHEという特性を示した。CuInSe2の禁制帯幅を考慮すると特筆すべき特性で、光電気化学反応のポテンシャルを示す事ができた。 また、ZnSeとCu(In,Ga)Se2の固溶体が約900 nmとやはり近赤外域に吸収端を有し、かつ適切な表面修飾を施す事により0.9 V vs. RHEと高オンセット電位を示す、優れた材料であることを明らかにした。
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