研究実績の概要 |
本申請研究では、水の光還元反応に対して優れた水素発生能を有する事で知られている「ロジウム二核骨格」を含む「(光機能性)ポリヘドロン型超分子金属錯体」の創生を行い、水の光分解反応における水素発生触媒として応用する事を目指している。平成27年度の研究では、既に優れた触媒活性を持つ事が確認できている「ハーフパドロホイール型ロジウム二核錯体[Rh2(N-N)2(O2CCH3)2]2+ (N-N = 2,2'-bipyridineおよびその類似錯体」を骨格としたポリヘドロン型超分子金属錯体の合成と構造解析に着手した。その結果、3種類のポリカルボン酸系架橋配位子(cis-cyclohexanedicarboxylic acid, 1,4-benzenedicarboxylic acid, 1,3,5-benzenetricarboxylic acid)を使用する事で、ループ形、三角形、四角形、八面体型のポリヘドロン型超分子金属錯体を合成する事に成功した。これらのポリヘドロン型超分子金属錯体は、[Ir(ppy)2(bpy)](PF6)を光増感剤として使用した際に、可視光照射下で極めて優れた水素発生を行った。興味深い事に、その触媒活性は、基本骨格であるハーフパドロホイール型ロジウム二核錯体よりも優れている事が確認できた。得られたポリヘドロン型超分子金属錯体の電子状態は、密度汎関数計算によって算出を行った。また、水素発生メカニズムを電気化学測定および発光スペクトル測定から調査した。
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