輻射失活(蛍光)の速度(kr)と無輻射失活(熱失活)の速度(knr)がともに励起一重項状態と基底状態間の電子波動関数の重なり密度を用いて表されることに着目し、既存の蛍光材料について、重なり密度の分布と発光効率との相関を調べた。その結果、重なり密度の分布を分子の座標中心から遠ざけるように骨格を改変することで、knrの増大を抑制しながら、krを選択的に増大させられることを見出した。さらに、得られた分子設計指針にヒントを得て、アクセプター-ドナー-アクセプター型構造を持つ青色発光材料CzXを開発した。CzXを発光材料として用いることで、19.9%の高い外部量子効率を示す青色有機EL素子を実現した。
|