研究課題/領域番号 |
15K17907
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
後関 頼太 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (20592215)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 精密合成 / 力学応答性 / メカノクロミズム / 電子共鳴スピン / ラジカル / 星型高分子 |
研究実績の概要 |
本研究では、潜在的な反応性を有する新奇力学応答性ユニットの開発を指向して、高分子の一次および高次構造と力学的な刺激伝達特性を明らかにすることを目的としている。 初年度は、第一点目として、ポリマーの一次構造と力学的刺激伝達特性の相違を明らかにすることを目指し、力学的刺激応答性分子を分子中心に設計した直鎖および分岐状の星型高分子を設計・合成し、その力学刺激応答性を評価した。具体的には、力学的刺激により青色のラジカル種を生成するジアリールビベンゾフラノンを用い、ポリマーとしては汎用的なポリスチレンを選択し、ラジカル量を電子共鳴スピン測定することによって定量的な評価を行った。その結果、分子量の増加に伴う応答性の向上、ならびに星型ポリマーの腕本数の増加と応答性向上の関係を見出すことができた。 また、この結果を基にして高次構造と力学的刺激伝達性の相関を調べるため、ミクロ相分離構造を利用した熱可塑エラストマーを作製し青色着色を示す膜の創製にも成功した。加えて新奇力学応答性ユニットの開発にも着手し始め、従来には見られなかった発色・発光を示す分子の合成に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は計画通りに実験が進み、当初予定していた以上の成果を得ることが出来ている。ただし、論文の発表までに至っておらず、研究としては十分であると判断できるが、全体としてはおおむね順調であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね計画通り順調に進展しており、当初の計画以上の成果が出初めているため、申請書に記載した予定を遂行して行く予定である。 具体的に本年は、高次構造と力学的刺激伝達性の相関をさらに調査するため、液晶性高分子を用いた配向性との関係を調査し、力学的に異方性が生じる配向膜の創製を行いたいと考えている。ならびに前年度 開発に成功した新奇力学応答性分子に関して、その発光特性などの調査に加え機能性材料の創製に向けた試みを進める予定である。
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