本研究では、ペロブスカイト型酸窒化物における酸素と窒素の比率や分布を制御する手法を開発し、それらが誘電性に与える影響を調べることを目的とした。①ペロブスカイト型酸窒化物固溶体La1-xSrxTiO2+xN1-xを合成し、窒素のシス型配列がx=0.2でも維持されることを明らかにした。さらにTi周りの多面体の歪みは増加し、この局所構造が誘電率の向上に寄与すると考えられた。②窒化炭素C3N4を用いたペロブスカイト型酸窒化物の新しい合成手法を開発した。この手法ではアンモニア窒化法よりも低温の800℃でSrTaO2Nが得られ、生成物の格子定数変化から酸素窒素配列が異なる結晶構造が得られた可能性がある。
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