高分子材料の純度や分子量が、有機薄膜太陽電池におよぼす影響を明らかにした。非晶性の高分子の場合、末端に存在するBrが太陽電池特性を大きく低下させる不純物となることを明らかにした。その一方で触媒残渣である Pd の残存は初期特性に大きな影響を及ぼさなかった。分子量においては、4万以上の分子量であれば依存性は見られなかった。一方で、太陽電池の長期安定性の観点で評価すると、Pdの残存や低分子量であることは短寿命化につながることが分かった。これらの知見、合成手法の最適化、デバイス構造の改善により、最大で6.8%の光電変換効率を達成した。
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