電気自動車の普及に向けてリチウムイオン電池(LIB)の耐久性向上が求められている.本研究課題ではLIBの劣化への影響が大きいと考えられる温度と電流密度がLIBの電極反応および劣化に及ぼす影響を明らかにするため,その場測定可能な温度可変環境を構築した.放射光施設でその場測定を実施し,温度および電流密度をパラメータとする充放電時の電子状態変化データを取得することができた.その際,Ni K吸収端において,充電時と放電時で履歴があり,試験条件による差異を観測した.このことから,充放電環境による電極内の反応分布の違いが劣化に影響を及ぼしている可能性があることが示唆された.
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