| 研究課題/領域番号 |
15K17972
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
沖野 真也 京都大学, 工学研究科, 助教 (30711808)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 密度成層 / 高シュミット数 |
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| 研究実績の概要 |
塩分成層流体中を鉛直降下する球まわりの流れを室内実験と数値シミュレーションによって調べた。密度成層の強さの尺度であるフルード数がおよそ1以下の強成層状態において、球の上側よどみ点付近から「ジェット」と呼ばれる高速な軸対称鉛直流が生じることが、従来の実験的、数値的研究によって知られている。前年度の研究によって、フルード数が0.1を下回るような極めて強い成層状態において、流れの不安定化によって、非定常・非軸対称なジェットが現れることを発見した。今年度は以下に述べるような、非軸対称ジェットに対する更なる知見を得ることができた。
流れの不安定化の発生源を探るべく、シャドウグラフ法を用いて、非軸対称ジェットの生成過程を調べた。このためには、球に固定された座標系での観察が必要となるが、撮影用のカメラは静止系に対して固定されている。そこで、球の初期位置を変えた実験を繰り返しおこなうことによって、擬似的にジェットの生成過程を観察した。その結果、非軸対称ジェットの起源は、軸対称ジェットの不安定化ではなく、後方よどみ点付近における流れの剥離にあることが明らかになった。
また、前年度開発した三次元直接数値計算コードを用いて、同様のパラメータにおける計算を実施した。極めて強い成層状態において、後方よどみ点付近から流れが剥離し、プルーム状の構造が生じることが、数値計算結果からも確認された。しかしながら、流れの軸対称性が破れるほどの、長時間・高解像度の計算はできていないので、この点は次年度の課題である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に発見した、非定常・非軸対称ジェットの発生原因を、実験と数値計算の両面から特定できたため。
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| 今後の研究の推進方策 |
室内実験では、PIV法を用いてジェットの生成過程におけるを速度場を計測し、ジェットの不安定化の起源となっている後方よどみ点付近における流れの剥離について調べる。
また、極めて強い成層状態における三次元直接数値計算を引き続き実施し、非定常・非軸対称化した流れに対する知見を得る。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題における数値計算がHPCIに採択され、当初計上していた計算機使用料が不要となったため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
得られた数値計算結果を保存する大容量ハードディスクに充てる。
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